天使舞い降りる時


天使舞い降りる時グリちび的幻想紀




青く澄み渡る日差しも素敵な日曜日

仕事休みだけどなんかすることないんだよねぇ



働くようになってから出会いもなく友達も少なくなってきたし

恋人なんかも出来ず寂しいんだよねぇ



変わらない日常は退屈でつまんないよねぇ

つまんないと思いながらもいつもどおり

休みの日 家で借りてきた映画のビデオなんか

鑑賞したりします



ほんとこんなんでいいことあるんかなぁ

このまんまじゃ明るい未来ってないなぁ



「こんな寂しい人生ならいっそ死神でも魂持っていってくれないかなぁ」

なんとなく、ふとつぶやいた



「ホントこのまま寂しく生きてるくらいだったらさささっと死神にでも

魂持って行ってくれないかねぇ」



「お~死にたいのかい?この鎌で魂狩って欲しいかい?あはは」

僕の後ろから声がした 振り返ると黒装束を身に纏い

僕の身長より大きな鎌に乗った少女がいた。



「誰だ?人の家に勝手に入って!」

「誰ってこの姿見てわかんない?つーかあんたが呼んだんじゃんさ」

「天使...じゃなく やっぱ死神だよな」

「はーいはーいそのとおりだよ!ではでは死んでくださいなぁ

私ちゃんと魂が身体から出るまでみてるからね!」



「えっと死ぬとしてもさその鎌で魂狩ってくれるんじゃないの?」

「あはは いちよさぁ 死神って殺すんが仕事やなくて死にかけな人

苦しまないように魂の糸切ってあげたり死んだ人冥界の門までの

水先案内人みたいなもんなんよ だからさぁ死にたいならさぁさぁ死んでよ!

呼んどいて今更死にたくな~いなんて言わないよね?ほれほれ

どうやって死ぬのかねぇ?」

もう後には引けないのか?でもまぁいいかっ

どうせ明るくない未来だし冥界に連れてって貰うかねぇ



「じゃー首吊りなんか 有名だししてみようかな」

「えっとね 首つっちゃうとぉ 気を失うまでにめっちゃ時間かかるしぃ

苦しくて縄ほどこうとして爪なんか剥がれちゃったりなんかして

やっと気を失ったその後は、体中の体液流れ出すんだよ

苦しんだ顔で涙よだれ血流れてるとこ想像してごらんよ」



「うわぁ なんかやだ じゃー飛び降りかな?」

「あれってさぁ 地面につくまでずっと怖いよ

まぁ痛み感じる前に死ねるのはいいけどその死体

手足飛び散り脳や体中のいろんな物が...

あー考えただけでぞーっとするわ」



「うーんやっぱ自殺は怖いねぇ 他になんかないの?」

「そいじゃ魂の契約なんぞしてみる?

あなたの願い叶える代わりに命を貰うんだよ」

「そんなのあるなら初めから言ってくれれば...」

「いやぁ 少しくらい楽しく会話しようかとそだそだそれはそうと

今更だけど死にたい理由教えてよぉ 死神呼ぶくらいだからすごいことなんしょ?」



「えっと なんか友達も恋人もいないし最近ずっと1人で寂しいし

仕事してても安月給のわりに毎日遅いしなんか

暗い未来しか待ってないような気がしてもう生きてるんもいいかなって」

「へぇ そんくらいで死んでたら毎日冥界は大変でしょうねぇ

だいたい恋人が一生出来ないなんて人結構いるし結婚も子供も

出来ない人なんてめちゃくちゃいるんだよ?

五体満足動き他に困ることもない日々何が不満なんですか?

今ならやっぱ生きたいって言ったら私呼ばれたことなしにして消えてあげるよ!

それとも本当に願い叶えてこの世にバイバイしちゃいますか?」



「確かに生きてたらもしかしていいことあるかもしれないけど

なんか折角死神に会えたし魂持っていっていいよ!」



死神は、大きな溜め息をつき

「そっかぁ じゃー願い言ってくださいな

1つめの願いで命は後1年に 2つ目の願いでその中から11ヶ月命貰い

3個目の願いでその中から3週間貰います

3個一気に叶えたら命は1週間になります。

すごいお金持ちになって綺麗な娘恋人にしたいだけなら2個の願いで出来るよ

1ヶ月だけ楽しく生きてみるってのもいいかもね。さてさてどうするかね?



それから少しだけ考えた

「なんてゆうかさぁ 願い叶えて死んじゃうなら

そんな少しの間恋人出来ても仕方ないしお金持ちになってもねぇ

ってことでさぁ命を一時間にするって願いでどうかな?」

「へぇ 意外に欲がないねぇ ってかさぁ一時間ってのは何さ?」

「レンタルしてた映画返しに行こうかと思ってねぇ

返さなきゃお店の人困るかなって」

「あはは 死ぬのに考えるそんなこと?君、面白いね

ほれほれ返しておいで 一時間後 魂貰ってあげるよ」



僕は、近くのビデオ屋に向かった

急いで返却すると店員さんが話しかけてきた

「この映画面白かったですか?私も見たいなって思ってたんですよ

主演の人 大好きなんですよねぇ」

「うん すごく面白かったよ そういえばこの人昨日からやってる映画

にも出てるよねぇ 今度みたいなって思ってたんだよね」

「ほんと うんじゃ もう仕事終わるしよかったら一緒に行きませんか?」

「え?一緒に行ってくれるんですか?嬉しいですよ」



なんかいつも可愛いなって思って見てた店員さんに話しかけられて

2人で映画行く事になってしまった 

一時間もしないで終るから外で待っててねって言われたので

楽しみにしながら待ってた

あーそういえば一時間も待ってたら死ぬんじゃ?

ってか映画行っても始まる前に死ぬー



「わぁ こんな楽しいことあるのに死にたくないよぉ!」

そう叫んだ後気付いたら自分の部屋にいた

 

「おっかえり へへーやっぱねぇ

死にたいなんて気持ちそんくらいなんだ

そんくらいで死にたくないって思うなら初めから

死にたいなんて思わないでよね」



「今のは何処までが現実だったの?」



「全て幻覚です じゃなきゃいきなりデートなんかに誘われないってばぁ」



「なるほどね けどなんか楽しかったよ 今は、むなしいけどね」



「ってことで生きる希望持てるみたいだから私帰るね」



「えっと魂の契約は?」



「何も叶えてないし夢見せただけだからいいよ うんじゃバイバーイ」



なんともまぁ 来るのも突然だけど去るのも突然

一瞬で去って行った





”一年後”

「メイ!おいメイ」

「隊長慌ててどうしたんですか?」

「閻魔様が呼んでるぞ 早く行け!」

「なんだ告白か?」

「バカなこといってないで早く行け!」



閻魔様のとこにつくと閻魔様のそばに私の使い魔のコウモリがいた

「あんたなにしてるのさぁ もしかしてあんたがなんか言って

呼ばれたとかじゃないでしょうね」

「そのとおりだメイ 他の死神と違い魂の契約もしない

寿命を全うした魂以外狩らない異質な死神だから使い魔にワシが聞いたのだ

聞いたところ一年前に殺すどころか生きる喜び与えるために

幻術使ったらしいな?」



「うーん なんだかなぁ 私は間違ったことしたなんて思ってないし

死神が魂かること自体どうなんだろって感じ

私は、死んだ人ここに案内してもころしゃしないよ!」



「なら死神辞めて地獄に落ちて反省してもらおうか?」



「あはは いいよ 魂無駄に狩るくらいなら私の魂狩ればいいよ」



「ではメイ地獄に落ちろ!」

閻魔様が指を鳴らすと私は宙を舞っていた



「わぁ閻魔さまぁ なんか空飛べなくなってるし

このまんまなら地面にぶつかってマジで死ぬってばぁ」



そいで落ちていって気付いたんだけど

ここって地獄じゃなく地球じゃん

ビルとか見えてきたんですけど!

なんてゆうかすごい速度で落ちてるし

マジやばいのと違うのぉ



「メイよ 謝れば死神に戻してやるし冥界にも戻してやるぞ」

「閻魔様 私は、無駄に魂狩る気ないって言ったでしょ

どうせなら天使にでもなりたい気分ですよ」



なんか気付いたら服が白くなって翼みたいなものが背中についてた

でもさぁこれってただのコスプレじゃん そら飛べないし!

閻魔様期待だけさせないでぇ わぁ地面にぶつかるぅ



しゅた!あらら 意外にも華麗に地面に舞い降りちゃったよ

これってほんとに天使降臨って感じじゃない?流石 私だね



「久しぶりだね 死神さん 夢じゃないよね?」

振り返ると一年前助けた青年がいた



「あはは 私のこと覚えてるんだ?普通さぁ あんなこと夢だと思わない?」

「まぁね でもあれ以来楽しく生きてるからね

少なくとも僕にとっては君は一番の天使だよ」



「わぁ恥ずかしいことよくゆうよ まぁ楽しく生きてるならいいか

それはそうと死神なのに人助けたん一年もたってばれちゃって

人間にされちゃったよ そういえば地獄に落とすとか言われたのに

気付いたら地球にいたんだよね」



「多分死神の力も無くし人間になるってこと自体が死神としては

地獄なんじゃないの?」



「あぁなるほどね それでこれからどうしようかね

人間になったばかりで困ったねぇ」



「よかったらうちにおいでよ 天使なら大歓迎だよ」



こうして私は死神でありながら天使のような自愛の心を持っていたため

人間にされちゃってそうして人間の青年の結ばれちゃいました





天使舞い降りる時 完




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